kisenoのブログ

経営/診断士/政策関連など

中小企業診断士:副業での中小診断士の収入はどれくらいか?

はじめに

中小企業診断士の大半は、企業に勤務されている社内診断士です。
昨今の働き方改革により、副業を考えている方もいると思います。
副業診断士は、どのような仕事でどの程度稼げるかについて、
実際に資格を取得してみて見聞きした結果をまとめました。

目次

1. 副業での収入額について

多くの方は、数十万円/年が実際のところのようです。
年100万円以上を稼いでいる方は少数派のようでした。
家庭や本業とのバランスや、本業の勤め先との兼ね合いを考え、
仕事はあるけれどもセーブされている方も多いようでした。

2. 副業での仕事内容について

副業であるということから、特定の企業に対する継続的な
コンサルをされている方もいますが、
以下のような単発の仕事が多いようです。

  • 補助金申請
     中小企業に対する補助金の申請書類を作製し、成功報酬を頂く。
  • 執筆
     主に診断士業界紙・メディア向けの記事の作製
  • 診断士の予備校関連の仕事
     採点や、試験官など
  • セミナー講師
     診断士向けのものなど

3. 仕事の取り方について

プロコン塾や研究会、出身予備校つながりが多いようです。
診断士になったからと言って、何もしなければ仕事は得られません。
資格取得当初は色々な場所に顔を出して覚えてもらう必要があるため、
しばらくは必要経費(飲み会とか)の出費のほうが多いかと思います。

中小企業診断士:合格後1年目はどのような生活になるのか

はじめに

診断士に合格した後、1年目はどのように過ごすかということを、私は受験生時代にイメージできていませんでした。
そこで、首都圏在住で診断士合格1年目の筆者が自身の体験を元にまとめてみました。

目次

1. 実務補習編

1.1 実務補習とは

 12月末に診断士2次試験の合格発表がされた後、登録までに実務補習を一般的には受講します。
診断士登録には、3年以内に実務補習を15日以上受けるか、診断実務に15日以上従事することが必要となります。

www.j-smeca.jp

 協会の主催する実務補習には、5日間、15日間コースが存在します。

 協会主催の実務補習は費用がかかるため、5日間コースのみを受講し、実務や大塚商会さんなどのサービスを組み合わせる人もいます。

www.otsuka-shokai.co.jp

1.2 15日間の実務補習の流れ

 筆者は協会主催の15日間コースを受講しました。15日間コースでは、5日間で1社のコンサル×3回を行います。
 とは言っても連続15日ではなく、週末のみの開催となるため、丸1ヶ月近くは実務補習に拘束される形になります。
 実務補習の実際の流れとしては以下のような感じでした。

  1. チーム(五人前後)および担当教官の決定
  2. 担当教官より訪問先企業の連絡が来る。
      業界や訪問先企業の事前の下調べを行う。
  3. 補習1,2日目:訪問先会社への社長インタビュー、報告資料の方向性をチームですり合わせる。
  4. 補習2,3日目の間の平日:チームでオンラインでの打ち合わせをしながら、報告資料の担当分を作成する。
  5. 補習3~5日目:資料の微調整の打ち合わせ、社長への報告、資料の提出  
  6. 上記を3社分繰り返す



1.3 実務補習15日間コースのメリット・デメリット

 実務補習15日間コースを受講して以下のようなメリット・デメリットがあるのではないかと感じました。

メリット:
5日コースに比べ、チームビルディングの苦労が少ない
15日間一緒に活動するチームは重要です。5日間コースだと毎回異なるメンバーのため、はじめましてからの探り探りですが、15日間ですと基本的にはおなじメンバーですのでその点は楽です。

診断士的なコンサル手法が身に付く
 業界も年齢も異なり、あったこともないメンバーといきなりコンサルを行うわけですが、唯一の共通言語は診断士としてのスキルです。診断士的なスキルを媒介として報告書を作成する必要に迫られるため、診断士的なコンサル手法が身につきます。
 また、15日間3社を基本的には同じメンバーでコンサルするため、同じようなコンサルスタイルでこなれることができ、自分のコンサルスタイルを得られるのではないかと思います。

デメリット:
合わない人がメンバーになると辛い
 メリットの裏返しですね。しかし、合格者のみなさんも大人ですので、ほとんどの場合は心配しなくても良いはずです。

費用がかかる/土日休みの場合、1ヶ月に何度も平日に有給を取る必要がある
 仕方のないところですが、特に家庭持ちの方にとっては、家庭サービス面で辛い面があるようです。上記のように、5日間コースで細切れ受講や、実務や大塚商会さんなどのサービスを組み合わせて対応されるかたもいるようです。

1.4 実務補習で必要なもの・こと

もの:
 ノートPC、officeソフト(主にワード)
  とりあえずこの2つは必須です。報告書はワード形式で作成することになるため、ワードには慣れておいたほうが良いです。(目次の作成方法や図表番号の付け方など)

こと:
 1週目の週末までには、提言の方向性を決め、それ以降は提言の方向性を変えようとしない。各自の担当内容までを確定させる。
 これは各チームの方針によるかと思いますが、うちのチームが15日間過ごした末の結論はこうでした。各人の訪問先に対する思いはあれど、1週目に提言の方向性を決め、それに沿った形にしないと資料をまとめるのにかなり苦労することになると思います。。。

2. 協会・支部・研究会探索編

2.1 支部・研究会とは

 合格後は基本的には、各都道府県の協会に所属する方が多いです。東京の場合には人員も多いため、各地区を担当する支部が存在します。
 また、各協会には研究会や同好会などが存在し、各診断士は自身の興味のある研究会などに所属し活動をしていきます。  

協会例: 東京都
www.t-smeca.com
神奈川県
www.sindan-k.com

東京都支部例:城南支部
www.rmcjohnan.org

2.2 支部・研究会の探し方

 多くの方は、スプリングフォーラムなど各協会が主催する支部や研究会の紹介イベントから自身の興味のある研究会を探します。フォーラムはさながら大学のサークルの新入生の勧誘のようで懐かしい気持ちになれます笑
 これらのイベントは東京以外にも各都道府県の協会で開催されているようです。また、他の協会はわかりませんが、東京の場合、春と秋にこのようなイベントを行なっているようです。

スプリングフォーラム
www.t-smeca.com

2.3 活動してみて 飲み会の増え方など

 飲み会が増えます。研究会の後はほぼ懇親会が開催されるため、研究会後の懇親会や、診断士予備校に通っている人は合格者の会などで飲み会がどんどん増えていきます。
 研究会の多くは月に1度の開催のため、最初の見学で5、6個見学するとそれだけで、毎週1回以上は飲み会が入る計算になります笑
 そのため、最終的には2つ程度の研究会に参加される方が多いようです。また、飲み会が多いため診断士は安い店を探す力が問われると言う話でした笑

中小企業診断士:勉強の息抜きにオススメのマーケティングの本4選

はじめに

筆者は、中小企業診断士を目指し、3年間を多年度受験生として過ごしてきました。
その中ではモチベーションの維持も難しい事もありました。
今回は、診断士の目指すモチベーション向上のために読んだ本の中で、
マーケティング関連の面白い本を紹介します。

1. 小が大を超えるマーケティングの法則

診断士の勉強をしている方ならご存知の方も多いかもしれません。
2次試験の事例二の問題の作成者と言われている岩崎先生の著書。(現在作成されているかは不明ですが)
事例2で頻出する、「差別化」、「固定客化」、「顧客との継続的な接触」などについて述べられています。

平易に書かれており読みやすいので、診断士受験をするならば、一度は読んでおいて損はないと思います。

小が大を超えるマーケティングの法則

小が大を超えるマーケティングの法則

2. ジョブ理論イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム

1.の本で岩崎先生が言及されていた、 「「何を」売るのかではなく、「なぜ」買うのか」をさらに突き詰めたい方にお勧めです。
近年のビッグデータやAIを活用した相関関係に着目したマーケティング手法とは異なり、
「どんなジョブ(用事、仕事)を片付けたくて、あなたはそのプロダクトを"雇用"するのか」
という因果関係を追求する考え方です。
また、ジョブとはニーズよりも複雑な概念で、「ある特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」という定義になります。

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位!  ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

  • 作者: クレイトン M クリステンセン,タディホール,カレンディロン,デイビッド S ダンカン,依田光江
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
  • 発売日: 2017/08/01
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (6件) を見る

3. ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11

診断士の教科書でもよく出てくるコトラー系の理論に立ち向かう一冊です。
上記の2冊とは異なり、データ解析的な立場からのマーケティングの本で、
上記の本を読んだ後に、異なる視点から考えるという点で面白い一冊です。
ただし、診断士受講生という観点から考えるとコトラー否定が入る事があるので複雑な気持ちになるかもしれません笑

ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11

ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11

4. ボトムアップマーケティング戦略

ベンチャーキャピタルの社長さんの講演会で、社長さんがもっとも人生で役立った本の1冊として紹介されていた本です。
戦術が戦略を決定すると提唱している本です。
診断士受講生の方には、アンゾフさんとかチャンドラーさんの言葉が想起されるのではないでしょうか笑

実戦ボトムアップ・マーケティング戦略

実戦ボトムアップ・マーケティング戦略

 

中小企業診断士:2次試験解答ノウハウ 

はじめに

全事例共通の事(勉強法など)はリンク先に記載している。
高得点を取ることは運の面が大きいと考え、出来るだけ点数を落とさない安全な解答を記載しつつ、
事例1~3で高得点ヒットが出る事を祈っていた。

事例1のノウハウ

【前半】
成長要因に関わる聞かれることが多い。
会社の強み機会に着目すると良いことがある。

【後半】
語呂合わせの活用が有用になる問題が多い。
人事および組織問題の解決を要求された際に、語呂合わせの文言に乗っ取った解答を作成するのが無難。

一発合格道場の記事が詳しい。

「幸の日も毛深い猫」

人事
さ:採用/配置
ち:賃金
の:能力開発
ひ:評価
も:モチベーション

組織
け: 権限委譲
ぶ: 部門分割、事業部別組織
か: フラット化
ね: ネットワーク
こ: コミュニケーション

事例2のノウハウ

助言を求められた場合には、施策、課題、結果、効果を記載する。
施策の数は100字で2つ、120字で3つを目安とする。
基本的には価格でなく差別化戦略で勝ちたい。
売上を上げるには単価×数のどちらかを改善する必要がある。

〜戦略とは何か

マーケティング戦略
 差別化戦略
 価格戦略
 基本的には差別化戦略を選択する。

製品戦略
 製品の幅:種類や属性、品質など  製品の深さ:最小分類、サイズ、色など

ブランド戦略
 ライン拡張:既存製品×既存ブランド名
 ブランド拡張:新製品×既存ブランド名
 マルチブランド:既存製品×新ブランド名
 新ブランド:新製品×新ブランド名

プロモーション戦略
 チラシや、ホームページ、イベントなどを行うこと。
 その戦略による訴求点を記載する事が望ましい。

販売戦略
 人的販売、提案販売。

コミュニケーション戦略
 SNSによる双方向コミュニケーション、DMなど
 定期的な顧客との接触による、ロイヤリティの向上や固定客化を目指している記載に繋げる。

事例3のノウハウ

基本的には強みを生かして課題を解決する。
以前は第一問で強みを問い、最終問題で解決する事があった。
しかし、最近の出題傾向からは素直にこのパターンでは出てこないかもしれない。

事例4のノウハウ

TACの事例4特訓講座の問題集が有用であった。
ここ二年くらいは、計算問題よりも文章題重視になっているかも??

中小企業診断士:2次試験勉強法 全事例共通

はじめに

平成30年度に中小企業診断士試験に合格した筆者の勉強法を残しておく。
筆者は、合格まで三年かかった多年度受験生で、合格までの経緯は以下の通り。

一年目:某通信講座で1次試験1科目(運営管理)のみ合格
二年目:某資格学校で、1次試験合格、2次試験落ち
三年目:某資格学校継続+別参考書(ふぞろい)で合格

主要な参考資料

・過去問:ネットや資格の学校が出版しているもの直近5年分程度
・解答例:ふぞろいシリーズ
十年分のデータブックは、問題文の後に設問文がなく、練習で解く分には使いづらい。
解答解説の詳細さの観点からも、資金に余裕があればデータブックよりも各年度で揃えた方が良い。

2018年版 ふぞろいな合格答案 エピソード11: 中小企業診断士2次試験

2018年版 ふぞろいな合格答案 エピソード11: 中小企業診断士2次試験

ふぞろいな合格答案 10年データブック

ふぞろいな合格答案 10年データブック

勉強方法

過去問を解く。
ふぞろい中に記載されている各ワードの配点を参考にしながら、自分に合い、かつ得点の高い解答の書き方を磨く。
自分の解答を元に、より点数の高いワードが組み込まれるように修正する復習をしていた。
各年度ごとに勉強するのではなく、事例ごとに勉強する方が良い。

試験解答手順

  1. 設問文を読む
  2. 問題文を読む
  3. 問題文に下線を引きながら解答を作成する。
    解答は因果関係に気をつける。
    「理由は、①XXX、②YYY」のように構造化した書き方の方が自分が後から復習しやすい。
  4. 解き終わった後に問題文の要素を概ね全て使用している事を確認する。
    使用していない場合は、引っ掛け情報か否かを検討する。

事例ごとのノウハウ

以下のリンク先に記載した。

中小企業診断士:2次試験解答ノウハウ 事例1&2 - kisenoのブログ

医療・介護に関するビッグデータ取り扱いの政策

はじめに

筆者は医療介護および法律関係については素人です。
この記事は、誰かの参考になればいい程度の気持ちと自身の忘備録とで記載しました。

近年の医療に関するビッグデータ取り扱いの流れ

2018年に「医療ビッグデータ法」が交付された。
これは、医療情報をそのままではなく、匿名加工して誰の情報かわからなくした上で研究開発などに役立てる法律である[1]。
データの流れとしては、以下のステップを踏む。

  1. 病院等が生データ(患者の診療情報)を取得する。
  2. 生データは、データを匿名化/加工する国に認定されたデータ加工事業者に渡る。
  3. 加工データは、そのデータを利用した事業者(国の認定の必要なし)に提供される。

また、患者の診療情報は、患者の拒否がなければ収集できる点が特徴のようだ。

近年の介護に関するビッグデータ取り扱いの流れ

上記のような医療の流れに加えて、介護分野でもビッグデータの蓄積が検討されている[2]。
しかし、データ利用対象は研究機関で民間企業は利用対象としていないようだ。

2018年時点での医療介護のデータ利用への民間からの要望としては、
日本医師会[3]や経済同友会[4]の物がある。
経済同友会の資料には、小規模病院の電子カルテ導入率が低い等のデータベース構築における課題の指摘と提言とがされている。

ビッグデータ/AIを活用した介護事業を行なっている企業

経済同友会の提言[4]において、介護データを用いた先進事例として、株式会社シーディーアイの事例が示されている。

www.cd-inc.co.jp

参考文献

[1]水町雅子, 医療ビッグデータ法(次世代医療基盤法)の概要, リンク
[2]官庁通信社, (2018), https://articles001.joint-kaigo.com/article-6/pg0066.html
[3]日本医師会, 日本の医療ビッグデータの利活用 生涯保健情報統合基盤の進捗状況報告, (2018),
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/jisedai_kiban/dai5/siryou7.pdf
[4]経済同友会, データ利活用基盤の構築を急げ ―QOL を向上させるデータヘルスに関する中間提言―, (2018),
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/uploads/docs/180525a.pdf

日本の高齢者の孤独死等に関する事業や政策

目的

少々調べる必要があり、せっかくなのでmarkdownの練習がてら残しておく。

孤独死の現状と影響

孤独死発生状況の現状としては、日本少額短期保険協会孤独死現状レポート[1]によれば、 東京23区内だけで1日8.5人が孤独死していると計算されている(平成27年のデータ)。
また、孤独死よる影響としては、残置物処理費用および原状回復費用として約60万円ほどかかる[1]事や、不動産価値の低下があるようだ。

孤独死対策の事業や政策

孤独死対策を含む高齢者向けの事業や政策としては以下のようなものがあるらしい。

  • 日本版CCRC
  • みまもり事業関連

日本版CCRC

ざっくりとした感じで言うと、高齢者がわりかし元気なうちに福祉の充実させた地方に移住してもらおう計画のようだ。
地方創生戦略の一環であり、東京への人口集中緩和を兼ねた計画らしい。
日本版とついているのは、米国が元々やっているため。
米国は富裕層対象で、日本は庶民対象なところが大きな違いのようだ。
事業例なんかは政府のHP[2]で公開されている。

みまもり事業関連

高齢者の孤独死の防止や早期発見のために、定期訪問などを行っている事を「みまもり」と言うらしい。 練馬区[3]など色々な自治体や事業者が行っている。
みまもりの効果としては、区内在住のみまもり対象高齢者一人当たりの年間訪問回数を1回増やすと、 孤独死に至る割合が約0.0009%減少するとの研究がある[4]。

参考

[1]一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会, 第3回孤独死現状レポート, (2018) http://www.shougakutanki.jp/general/info/2018/news20180306.pdf
[2]まち・ひと・しごと創生本部,
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/about/ccrc/
[3]練馬区高齢者見守りネットワーク事業
https://www.city.nerima.tokyo.jp/hokenfukushi/koreisha/nichijo/mimamorikyoutei.html
[4]村里亮, 地域コミュニティによる見守り活動が孤独死に与える影響について, (2017) http://www3.grips.ac.jp/~up/pdf/paper2016/MJU16716murasato.pdf]